徒然すぎて草。

ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん

33歳の韓国人留学生の女性と会った話

季節の挨拶

そろそろ梅雨に入ろうというこの時期、当ブログに来訪いただく奇特な諸兄におかれましては、いかがお過ごしだろうか。

私はといえば、己を知り、出来ることと知識、考えを拡張しなければ先に道はなかろう、と思ったので、ヘッセやニーチェ、日本の近代文学などを読み始めた。

もし、あなたが私と同じような状況に陥っているのであれば、ヘッセの『デーミアン』を読むといいと思う。

 作中のエヴァ夫人の「あいまいな望みを抱いてはいけません」という言葉と、彼女が語るロマンスは、恋愛やらに身をやつす者の道しるべとなることだろう。

さて、今回はタイトルの通り、そういう女性と会った話となる。 

 

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徒然すぎて草。

…………ヴゥゥ――ンンン――ヴゥーッ、ヴゥーーッ…………。

こうした小刻みな振動が胸元で起きたことで、私がウスウスと目を覚ました時、列車はまだ目的地に着いていないことに気が付いた。車内の電光掲示からまだ時間があると察すると、目覚める原因となった胸元のスマートフォンを手に取る。

ロック画面に記されていたのは、女性からのLINEのメッセージ。

「そろそろ家を出るね!」

そう、私は今日、女の子と美術館へ行く約束をしているのだ。

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慕情の擦り切れ

季節の挨拶

桜の花もとっくに散り、青葉が繁ろうとする頃となった。皆様はいかがお過ごしだろうか。

私は前回の失敗から懲りることなく、流れ来る画像を左から右へスワイプし続ける日々を送り、7人目の女性と会うことと相成った。

↓面白おかしい前回の失敗はこちら↓ 

persona-kaza310.hatenablog.com

※精神的自傷は昂揚を伴う麻薬である。 

 

「いっさいの価値はすでに創られてしまっている、――いっさいの価値――それはこのわたしなのだ。まことに、もはや『われは欲す』などはあってはならない!」こう竜は言う。

――ニーチェ著 氷上英廣訳 『ツァラトゥストラはこう言った(上)』(岩波文庫、1967)(p.39)

 

酒のグラスに水を差す余計なものはうち滅ぼさなくてはならない。

余計なもの、それはすなわち翌日の仕事の心配と、罪と恥の意識である。

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自ら用意した据え膳を、自ら叩き割った話

季節の挨拶

桜も散ろうというこの頃、皆様はいかがお過ごしだろうか。

私はといえば相変わらずで、気の向いた時にtinderで女の子の写真を右スワイプ(LIKE)する日々であった。

この記事を読んでいる諸兄はおそらく、tinderなんてどうせ節操なく女の子をLIKEするんだろ、と思っているであろうが、実際そうだ。

こと出会い系において、男が女を選り好みする権利は皆無といってもいい。

左から流れる画像を右に送れ。さすればマッチが与えられん。

私はそうすることによって、6人目の女と会うこととなった。

この記事を読む諸兄におかれましては、次の一節を心に留めてもらいたい。

 

このように、熱くもなく、冷たくもなく、なまぬるいので、あなたを口から吐き出そう。

――ヨハネの黙示録 第3章15‐19節

 

何事も、中途半端が一番悪い。

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高校の同期が結婚した中、tinderでマッチした女と会った時の話。

 

  • 式場にて
  • アポ調整編
  •  待ち合わせ編
  • 夜パフェ専門店にて
  • 理学療法士女子との会話
  • 彼女の展望
  • 振り返りと今後の方向性への思案
  • 読むと役に立つかもしれない徒然なる記事たち:

 

式場にて

 

先日、高校の同期の結婚式があった。

新郎となった同期が真っ白なスーツを着て、身を固くしてチャペルを歩いている姿は、とても印象的であると共に、人間の幸福の一つの形であろうと思わされた。

エスの名を唱える讃美歌を歌いながらふと思う。

我が身を振り返れば近くに女の影はなく、ゲーセンに行って隣のサブモニターを見るとそこには星翼のヒカリちゃんがいるのだが、彼女は遠い宇宙の巡星にいるので永遠に引き合うことはない。

次元という名の残酷な天の川に我が身と心は焼かれ、それが癒えることはない。

魂はますます歪むばかりである。

一体いつからこんな差がついた?

歪みに歪んだ私の魂は、晴れの席においてすら、結婚生活という名の遠い地平へ飛び立った友の背中を見て思考を反復する。

思い返してみれば、その友が今年の夏に結婚報告をしている最中、私は出会い系で知り合った女と人生初のデートの約束をしていた。

一周遅れてのスタートを切っているなら仕方がない。この状態で彼に追いつくには最早偽装結婚でもするしかない。しかし相手がいない。

 

披露宴もたけなわという頃、一人の同期が私に聞いた。

 

 

と、いうわけで今回は新しく会った人について書き記していきたい。

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HUBで女の子を攫って行った外国人とダーツをやった話

外国人と一緒に、人生初のダーツをやったよ!

女の子とHUBで飲んでいたら、色々あって僕が目を離している隙に、近くで飲んでいた外国人(金髪碧眼のイケメンだった)が女の子を連れてどこかへ行った。

酒の勢いに任せて「付き合ってみない???」と言ってみたら、「今、色々大変でそういうのあまり考えられないかな」と言われた直後の話だ。

 

あまりにもよく分からない状況に、すでに7杯くらい飲んで痛み始めた頭がさらに痛む思いがした。

店を出ると、彼女からメッセージが飛んできた。

「なんかダーツへ連れ去られた(笑)」

すげーな外国人(イケメン)。PDCA~!

 

 

沸いてきた怒りの感情に任せて、星と翼のパラドクスでもやってヒカリちゃんに会いに行くかと思ったものの、この状態でやったら飲酒運転になってしまう、と思い止まり冷静になった。

外国人へ連れられた彼女はどこの馬の骨ともしれない他人であるが、もし何かあれば今日という日を一生悔やむだろう。

そう思い、彼女にはどこへ行ったかを伝えてもらい、その店に入ってみることにした。

すると、ほどなくして酒を飲んでいる2人を発見した。

心を落ち着かせるため、懐に忍ばせておいた「ツァラトゥストラはかく語りき」を読みながら遠くから監視していると、外国人がトイレに行ったのでその隙に女の子に声をかけた。

 

 

話を聞いてみると彼女にしても半ば不本意な形で連れられたようだが、特段嫌がっている風でもないので非常に対応に迷った。

そうこうしている内に外国人が戻ってきて、「うわ、どうしよう……」と思っている内に、なし崩し的に3人でダーツをすることになった。

ダーツへ向かう道すがら、外国人が女の子の腰に手を回すも、女の子自身に撥ね退けられているのを見た時は正直笑った。

イカれたプレイヤー3人を紹介するぜ!

僕……ダーツ初心者。数回会った子(↓)に試しに「付き合ってみない???」と言ってみるものの返事を先延ばしされる。知ってた。

女の子……ダーツ経験者。面白い。数回の食事を経て交渉する……が、駄目……!

外国人……イケメン。マジで顔がよかった。

ダーツの前に座った僕は思った。

……ナンダコレ?

こんな形で人生初の本格的なダーツをやるとは思いもしなかった。

しかもこの英国人、めちゃくちゃダーツが上手い。

どれくらい上手いかと言うと、他の2人との接戦を演じるために低い点数を取るのが見て取れるくらいで、正直言ってキレそうになった。

1時間程だろうか。さして場を盛り上げてやることもせず、場をひたすら微妙な感じにして白けさせ、最後は外国人に多めに払わせて解散した。

夜の歌舞伎町へ一人消えて行く彼の背中は少し、寂しそうに見えた。

 

祭りの後

後で彼女から聞いたことだが、最初はダーツへ誘われたもののその辺をフラフラして、「なんか見つかんないからホテル行かない?」と言われたらしい。

確信犯じゃないか。

とはいえ、彼の行動にはいろいろと考えさせられるものがあり、貴重な経験をさせてくれたな、という風に思わされた。

二度と御免だが。

何はともあれ、何事もなく済んで肩の荷は下りたし、曖昧なままズルズルと行きそうだった関係も一区切りつけたので、気分はあまり悪くない。

 

買ってきた本を読んでいるばかりの毎日では決して味わうことのなかった体験ではあったものの、これは果たして「書を捨て町に出よ」というものなのだろうか。

甚だ疑問である。

4人目の女

事の始まりは、年末のクイーン特集の番組でフレディ・マーキュリーゾロアスター教徒であったことを知ったことだった。

 

「あっ、『ボヘミアンラプソディー』観たいかもしれない」

 

我ながらゲンキンなものである。それまでミーハーだと思い、視界にすら入れようと思わなかった映画を、たったこれだけの情報から見たいと思ってしまうのだから。

興味の向くきっかけがゾロアスター教でいいのか? と思わなくもないが、ゾロアスター教はそれ自体が他の宗教に与えた影響は数多いものの(キリスト教に見られる「最後の審判」などはその典型だ)、今ではその信徒が非常に少ない宗教だ。

ましてや、フレディ・マーキュリーがその信徒とあっては、心躍るのも無理はなかろう。

 

そんな頃、私のtinderのアカウントで一つのマッチが成立していることに気が付いた。

2枚目の眼鏡をかけた画像が実に可愛らしい。人間という生物は基本的に写真写りが悪いもので、写真よりも実物の方が見られるという性質があると私は信じていたので、このマッチに一縷の望みをかけることにした。

そして、私は思った。

「どうせなら女の子と映画を見に行きたい」

そう思った私の行動は速かった。

 

「はじめまして! 眼鏡似合いますね!」

「映画とか好きですか?」

 

そんなメッセージを送って半日が経った頃、相手から返事が来た。

 

「好きですよ! 友達とよく観に行ったりします!」

「最近は何の作品を見ましたか?」

 

ああ、何たる恐ろしい問いかけだろうか。私はひどく戦慄した。

最近は何の作品を見たか。それに答えるのは容易い。つい2週間ほど前に観に行ったばかりだからだ。

しかし、「仮面ライダーの映画を観に行ってました!」と答えるのはあまりにも筋が悪い。

あの映画は確かに面白かった。特撮に限らずあらゆるフィクション作品が虚構に過ぎない、しかし忘れない者がいる限り、その作品は永久のモノになる。素晴らしいメッセージ性だ。私のようなコンレボクラスタにはたまらない。

だが、初対面に近い女の子にそれが通用するかは話が別だ。絶対に微妙な雰囲気になる。マッチングアプリは相手から返信が来なければそこで試合終了だ。

その前に観た作品は何だったか。これも思い出せる。

「ANEMONE エウレカセブン ハイエボリューション」

違う! そうじゃない!

エウレカセブンに造詣のある女の子なんて滅多にいるものかよ。

ANEMONEは確かに良作だったし、「エヴァQっぽかった~!」と言っている脳味噌がスカブで出来ているような輩にはバスクード・クライシスを食らわせてやりたい手合いであるが、私の思い入れと世界の認識は別の話だ。

 

遂に困った私は苦し紛れの選択をした。

「友達との付き合いでアネモネって作品を見に行きました!」

なんということだろう。私に一緒に映画を観に行く友達はいないというのに。

流石にこれだけのメッセージだと、相手の方もスン……となることが容易に予想できたので、「ボヘミアン・ラプソディーはもう見ました?」みたいなことも添えて送った。

すると、「実は友達と観に行っちゃって……」と返ってきた。

ちくしょう、なんて日だ。

そんなこんなで私自身はあまり興味がなかったファンタスティックビーストを観に行く約束が成立した。

 

ところで、出会い系やマッチングアプリをやる上で忘れてはならない点があるのを、あなたはご存じだろうか。

それは、こうしたサイトやアプリを使う女性は「量子力学的な性質」を持っているという点だ。

かつて物理学者がシュレーディンガーを揶揄した猫箱の逸話のごとく、女性たちは実際に会うまでその実在が確定しない。

我々がその姿を認識して初めて、その女性はこの世界に「在った」ことになるのである。

要するに、「すっぽかされる」ということだ。

 

アポ当日までの数日間、

ブックオフで買った「ツァラトゥストラはかく語りき」を夜に読み、

昼に暇さえあればゲーセンに通って「星と翼のパラドクス」をプレイしながら、

すっぽかしの恐怖と戦っていた。

おかげで星と翼のパラドクスの方は階級が星3まで伸びた。

仮に相手の実在が確定しないからといって、手を抜く試合があるかといえばそうではない。

映画を観に行く約束をして、映画を観るだけの解散ではあまりに味気ない。

冴えた計画が必要だ。

映画が上映するタイミングは押さえた。行く予定のカフェも押さえた。

諸々のイメージを固める……。

後は当日の決戦に臨むだけ。……そう思っていた。

 

一つの凶兆は、「ブギーポップは笑わない」の冒頭5分を見ている時に訪れた。

このアニメは竹田という少年が、宮下という女の子とのデートの約束をすっぽかされるところから始まる。

観ている間、これまでにすっぽかされた経験が川のようにフラッシュバックしてきて身悶えした。

 

凶兆は、もう1つ訪れた。

それは、星と翼のパラドクスを6日ぶりにやった帰りの夜のことだ。

ちょうど、アポの前日だった。

なんだか胃の調子が悪い。気分が悪い。軽く吐き気すらする。

 

そして当日。

崩れた体調は戻ることがなかったが、幸い咳はなく、感染すタイプの体調不良ではなかろうと考えた私は、身を襲う寒さが外気温故なのか、体調故なのか区別もつかないまま待ち合わせ場所へ向かった。

すると、待ち合わせ時間にもなろう頃、相手から一つのメッセージが届けられた。

 

「すみません! 今起きました!」

 

一瞬、あまりにも体調が悪くて読み間違えたかと思った。

だが、何度読み返しても書かれている事実は変わらない。

そして、突きつけられた現実に眩暈がした。

だが、続いて送られてからメッセージを読む限り、来る気はあるらしい。

来ると言っておいてすっぽかされた経験がある身としては、落ち着いてお洒落をして無事に会いに来てくれと願うばかりである。

 

そうして、代わりのカフェを探し、予定の時間まで待つこと2時間、ついにその時は訪れた。

 

「あの、もしかして風見さんですか?」

 

来た、見た、勝った。

 

嬉しさのあまり、「来てくれてありがとう! 7回約束したら5回はすっぽかされるから嬉しいよ!」と余計なことを口走る始末だった。

今回入ったのは新宿三丁目のcafe AALIYAというフレンチトーストが売りの店だ。

ランチはフレンチトーストとドリンクにスープもしくはサラダがついて1000円でお釣りが来るという良心設計で、味もなかなかに良い。そのためか、店はとても繁盛しているようだった。

惜しむらくは、互いに胃腸の調子が悪くてあまり食べ進められなかったことだが。病んだハラワタにフレンチトーストは鉛のような重さだった。

 

その後は、適当に仕事や学生時代に何の研究をしてたか、恋バナなどを聞きつつ、カラオケに行って解散した。

正直、少しやらしい雰囲気に持って行きたくはあったが、これ以上の欲をかけば吐く気がしたので大人しくすることにした。

 

今回を思い返すと、良かった点、悪かった点がまあまあある気がする。

良かった点

・手軽な話題ですぐにアポへ結びつけられたこと(これは運)

・相手の遅刻も事前のリサーチの延長で対応できたこと

・相手が知っている、普段やっていることに対して、自分も知っている部分があり、話が広がったこと

 

悪かった点

・体調があまりに悪く、やや消極的になってしまった

・信頼関係を構築するための会話がややぎこちなかった

・完璧主義が顔を出してしまい、ある程度のリスクが取れなかった

 

次の機会があれば、この辺りを踏まえて行動を調整しようと思う。

 

それにしても今回のことを思うと、この手のアプリは実際に会うまで、心が折れないことがモノを言い、

会ってからは事前の準備や知識の下地がモノを言うのだと思う。

 

この記事を読んだあなたにも楽しみがありますように。

それでは!