重いけど(アドで)尽くしてくれる女、ハナレ
突然ですが。
皆さんは「重い女」というと、どんな女性を想像するでしょうか。
構ってもらいたくて電話を100件、200件と入れる人でしょうか。
彼氏のSNS履歴や繋がりを全て監視する人でしょうか。
ナントカ記念日をやたらと設定してパーティをやる人でしょうか。
有料記事を読んでくれないとリスカする、と不特定多数の人間に公言する人でしょうか。
数行読んで具体的な個人名が思い浮かんだ人はどうぞそのままに。
華原……ウッ、頭が
なにかを思い出してしまった人は同情します。
未遂なんて3回も見れば飽きてしまいますね。
さて、ここでウィクロスの話題に戻りましょう。
今日のテーマはこの人。
……
《救済の冥者 ハナレ》 グロウコストは黒4。
重い。
《紡ぐ者》には抜かれてしまいましたが、それでも重いことに変わりはないです。
そもそも重い女ってことにしないと記事のテーマが成り立たない
ですが重い分、アドの面で非常に尽くしてくれるカードです。
・リミット12
【常】:あなたのメインフェイズ開始時、あなたのトラッシュからレベル3以下の<毒牙>のシグニ1枚を場に出す。ターン終了時に、そのシグニを場からトラッシュに置く。
【起】エクシード1:あなたの<毒牙>のシグニ1体をアップする。
【起】エクシード3:あなたのデッキの上からカードを3枚公開する。その中から好きな数の<毒牙>のシグニを場に出し、残りをトラッシュに置く。この能力は使用タイミング【メインフェイズ】【アタックフェイズ】を持つ。
出た当初は「また黒ルリグ……」と言われ、
イオナとクラスが被る毒牙がメインということもあって
あまり人気がなかった覚えがありますが、14弾でいい強化をもらい、
組んでみたいと思えるラインに達したので記事にしてみました。
と、いうわけで雑に組んだレシピがこちら。
デッキ名: ハナレ
作成者: 風見
(デッキ作成サイトで見る)
ルリグデッキ
【ルリグ】
1×《ハナレ》
1×《残悔の冥者 ハナレ》
1×《来夢の冥者 ハナレ》
1×《傀儡の冥者 ハナレ》
1×《救済の冥者 ハナレ》
【アーツ】
1×《フォーカラー・マイアズマ》
2×《フォービドゥン・ゲーム》
1×《龍滅連鎖》
1×《クライシス・チャンス》
メインデッキ
【シグニ】
4×《アイン=ルクボル》
2×《ツヴァイ=チェボル》
4×《ドライ=ロドボル》
2×《サーバント O2》
2×《幻獣 ベイア》
【スペル】
4×《トキシック・スパイクス》
2×《列情の割裂》
メイン(ライフバースト)
【シグニ】
4×《アイン=ダガ》
2×《ドライ=アグリピナ》
2×《フィア=ヴィックス》
4×《フィア=パトラ》
1×《フィア=ネロザラン》
4×《サーバント O》
1×《サーバント T》
2×《サーバント T3》
構築のコンセプト:アドを取る
14弾に入ってからの一番の変化は、アドを取る手段が確保された点です。
《トキシック・スパイクス》と《ドライ・ロドボル》。
(出典:ウィクロス公式サイト)
この2枚のカードによって、
序盤・中盤の手札関連のアドバンテージ周りが非常に楽になりました。
《トキシック・スパイクス》については前の記事でも紹介した通り、
序盤の段階でエナを増やしつつ盤面も補うことが出来るモードに注目。
(前の記事) http://persona-kaza310.hatenablog.com/entry/2016/08/13/113013
《アイン=ダガ》などのカードで盤面を除去してから使えば、
点とアドが結びつくという非常に美しい流れになります。
また、シグニ効果に除去を依存していたハナレにとっては、
《トキシック・スパイクス》による除去のモードも
なかなかに頼もしい水準であると言えるでしょう。
《ドライ・ロドボル》も分かりやすく強いカードです。
素で引いて使うのはもちろん強いですが、
《救済の冥者 ハナレ》の効果でのリアニメイト対象であり、
仮に効果で出してターン終了時にトラッシュ送りになるとしても、
ヴィックスやヴィリエ・トキシックの弾丸として発射すれば無駄がありません。
難点は、めくったカードが下に行ってしまうという点で、
これのせいで次のターンのドロー、ロドボル2枚目、
ライフバーストの1ドロー、【エナチャージ】を見越してトップ操作などなど、
次を見越した動きが出来ないという点が、安定した戦術を組み立てる面において、
足を引っ張ってしまう可能性が否めないというところでしょうか。
とはいえ、ハナレはカードプールの特性上、
山札を確認する≒ライフバーストを確認する
のが困難なデッキなので、ライフバーストを見越して云々、という動きが
根本からしてギャンブルに近く安定からほど遠いと言えるかもしれません。
手札のアドはエナの安定にもつながる
《救済の冥者 ハナレ》のグロウ条件である黒4という数字は非常に重いものです。
Lv.1→Lv.2で①、Lv.2→Lv.3で②、Lv.3→Lv.4で④、
合計で7コストというコストは相手が普通に殴ってくることを考えても、
序盤でサーバントをガードに使わない
≒点をもらいまくる
or
最初のターンに自分からエナチャージをしなければならない
≒手札が厳しい状態でスタート
という、綱渡りのようなスタートを切ることを強要されます。
ですが、トキシック・スパイクスによる盤面の展開を兼ねたエナ増強、
ロドボルによる準備などがあれば、安心して手札をエナに送れます。
一応、ハナレには《フォービドゥン・ゲーム》という、
エナを使わないが手札を重く消費するアーツも存在しますが、
これも手札のアドを稼ぐことで安定した運用を行えるでしょう。
ロドボルを刷ったのは名采配だと思います。
しかしながら、ロドボルの効果は手札に加えずに「場に出す」効果なので、
フォービドゥンで切るための弾丸として手札に加えられないのは、
少し噛み合わないかもしれません。
また、話は逸れますが、フォービドゥン・ゲーム自体も、
15000のパワーラインが増えた現環境ではあまりパワーのないカードになっており、
環境に依然として君臨するピルルクに非常に弱いアーツなので、
なにか別のカードを入れた方がいいかもしれませんね。
レシピには思考停止で2枚入れていますけれども。
レベル4になってもアド、アド、アド
ハナレデッキを組むにあたり、積極的に使っていきたいカードが存在しました。
それは、《フィア=パトラ》。
(出典:ウィクロス公式サイト)
出現時にレベル1毒牙を回収し、
起動効果で自身のパワーをー20000することで、
手札と場、相手のリソースを2枚奪うことの出来るカードです。
相手依存なのが非常に残念ですが、盤面の除去はトラッシュ送りと非常に強力。
この人の安定した運用はゲームメイクに非常に大きな意義を持つでしょう。
となると、問題になるのはパトラのパワーを上昇させる手段です。
まず、出現時によって4000の数値がクリアされます。
アイン=ダガ回収、射出の流れですね。
とりあえず、パトラの起動を使ってもパトラ自身は残したい
(21000のパワーを目指す)と仮定した上で、残る数値は、
21000-(12000+4000)=5000
今回、この5000を補ってくれるカードとし採用したのが、
《幻獣 ベイア》です。
出現時に全体のパワーをプラス5000し、
さらに相手の盾1枚を割る毎に1エナチャージ。
パトラで盤面が開くことを考えると、非常にかみ合っていると言えます。
また、ハナレのリミット12も強い動きを押し付ける上で非常に強力で、
パトラ2枚を立ててもベイアが置ける、というのがかなりの強みでしょう。
難点は手札に加える手段がないということであり、
一度は誰でも考えるであろうこのカードが採用されているレシピをネットでもあまり見ない、という点がベイアの運用の難しさを語っているとも言えるでしょう。
余談ですが、パトラの起動効果はアタックフェイズもあったら面白かったと思います。
《フィア=ネロザラン》で計20000のマイナスをした後でパトラ起動、
美しさを感じますね。
まあ、ないものねだりをしても仕方がないんですが。
14弾環境での身の振り方
先ほど、序盤のノーガードについて言及しましたが、
あらためて点数の受け方・防御面を考えてみましょう。
結論から言って、序盤で点をもらうのは、
14弾環境では辛いものがあると思えます。
強力なレベル5ルリグとシグニが増えたことによる、ゲームの長期化の一方で、
長期戦を嫌うか轢き殺しに弱いという点をついて速攻で仕掛けてくるデッキ、
そんなロングとショートが跳梁跋扈する14弾環境、という認識は、
多くの方がなんとなくでも意識していると思われます。
ピルルクAPEX 、ユキ、ウリスといった制圧系・長めのデッキ、
真・遊月といった防御をしにくい強力なパンチャーを持つデッキ、
火鳥風月や雪月風花・花代といったバーンデッキ、
アイヤイや2止めアン、ファフオーラに代表される轢き殺し系、
序盤から点を取り、なおかつ長期戦もある程度こなせるオールラウンダー・爾改、
これらの敵を仮想した際に、ハナレはどう戦えるでしょうか。
まず、轢き殺し系に対処するのは相当厳しいと思えます。
アイドルを積むのは一つの手ですが、アイドル採用の一つのラインと思える
「自力で8エナ・最低でも5エナを安定して調達できる」
という点が正直不安です。
次に、バーンデッキ。
一応、《龍滅連鎖》を積んではいますが、
たかが1枚のライフ回復でどうやって焼け死ぬのを防げるでしょうか。
一番考えなければならないのは《西部の銃声》ですが、
このレシピには対抗手段が全く存在しません。
な、なんじゃこりゃあ(棒読み)。
かといってただ死ぬのも嫌なので、
松田優作のモノマネでもしましょうかね(投げやり)。
次に制圧系のデッキ。
一言でいきます。
つらい。
幸い、14弾環境ではシグニ効果耐性を持っているカードが少なく、
また考えられるのは、
《コードアート MPP》や《不可解な誇張 コンテンポラ》ですが、
コンテンポラは最初から問題にならないとしても、
MPPに関してはパワーマイナスに無力なのでさほど除去に心配はいらないでしょう。
まあ、ACGを置かれると除去の動きが全停止するので油断はできませんが。
では、幸いから1引いて何が辛いかといえば、
- ハナレのカードプールにおける耐性のなさ
- 攻撃力が徹底されていない点
この2つと思えます。
まず、パワーが高くなければ耐性も存在せず、アッサリ盤面に風穴が空く、というのは
新しいカードを手に入れてバカスカ面を開けてくるようになったピルルク、
エナを与えない除去が増えたユキ、
そしてダイホウイカなどで積極的に面を開けてくるウリス
に対してかなり不利な点と言えます。
2つめに、ハナレの除去に致命的に欠けているものについて。
それは、ルリグによる除去とアタックしながらの除去がない点です。
ルリグによる除去がないというのは、
ハナレの除去手段がシグニ≒盤面に依存している
という点と裏返しであり、前述したACGによる機能不全はもちろん、
環境に増えた(その割に結果を残してないですが)ユキが並べる
<効果無効に震えろ
この人たち↑によってアーツを切らざるを得ない状況に追い込まれることになります。
また、《先駆の大天使 アークゲイン》に対しては殴り倒すしかない上に、
タマ側はモダンを撃てばどうにかなるのですから辛い話です。
加えて、除去がメインフェイズに偏っているというのも、
ゲームを決める上で弱点といえます。
なんにでも入る万能カードことダイホウイカも手ですが、
色が汚くなるうえに構築の多様性の排除、
これ以上ライフバーストを弱くしてどうするのか、
などなど、投入をためらう理由がいくつか思いついてしまったので今回は見送りです。
そもそも、4枚積みたいパトラのバーストも防御面では非常に弱く、
まともな防御バーストがヴィックスとネロザラン、アグリピナであるあたりも、
非常に不安を誘います。
……最近、親の顔よりイカを見ている気がするぞ。
ウリス「イカ立ててエニグマ、アタック宣言やで」
ピルルク「イカとあとなにか適当に制圧してアタック宣言やで」
アイヤイ「イカ使うワンチャン」
一昔前の遊月「ドンステ対策にイカ使うやで」
ちょっと前の私「ユキにレベル4時の除去が欲しいからイカ使ったろ!
んんwwドヤ顔で記事書いたけど噛み合わないでござるwww」
……イカ制限にならないかな。
まとめ
環境で戦うことを追求し始めたら色々と弱点が見えて来て
辛くなったのでここでまとめます。
現状としてハナレならではの強い点があるにはありますし
(主にパトラとトキシック)、
劇場版の円盤でガットをもらえますが、どうも微妙な感じが否めない。
環境的に必要なのは面を埋める防御じゃなくて、
面を開けるアーツだと個人的には思うんですけどね。
ハナレ用に調整された《ブラック・デザイア》とか。
面埋めはルリグのエクシード3で事足りていますし。
手札増強は常時効果でどうにかなりそうですし。
この先、ハナレにどういった強化がされるかは分かりませんが、
ストーリーに大きく絡むのに運営に放っておかれたイオナという前例もありますので、
あまり期待はせずに、新しい汎用カードが役立つかどうかを貪欲に考えつつ、
この先を見守ろうかと思います。
それではまた、次の記事で。