Lostrage 第1話感想~忘れたくない記憶があるって羨ましいね~
やってくれましたね!
ロストレージ インサイテッド ウィクロス 第1話。
初っ端からすっごい不穏な雰囲気。
期待通りのセレクターバトルが描かれていました。
母親がいなくなり、親子らしい会話もなく、
ただ「食事代」として金のやり取りがされる、すず子の冷え切った家庭環境と、
家族の絆は感じさせるけれども、娘にアルバイトをさせなければ生活がままならない、
千夏の家庭環境は見事なまでに対比関係にあり、回想シーンで出てきた幼い二人は、
こんな皮肉な未来が待ち受けてるとは思いもよらなかったでしょう。
そんな道をたがえた二人の運命が、この先のセレクターバトルでどのように 交錯していくか、楽しみに見守りたいと思います。
あと、面白かったのは固有能力「オーネスト」の描写。
てっきりピルルクみたいにピーピングするのかと思いきや、
まさかの相手が勝手に本当のことをベラベラと話し出す展開とは。
初心者狩りを平然と行い、「遅延? 遅延ですかぁ~?」とヤクザするグズ子のセレクター(それにしてもグズ子って名前ひどいな)は、
なんだか前シリーズの晶を彷彿とさせますね。この辺りはセルフオマージュでしょうか。
(selector infected wixoss 第2話より、生き生きとヤクザする蒼井晶女史)
晶はもう少し狡猾に、バトルの腕もそこそこだった記憶がありますが、
彼はあまりそんなことはなさそうですね。
赤いルリグ相手に序盤バカスカ殴っちゃダメ、絶対。
「次はこうは行かねえからな! 覚えておけよ!」
の捨て台詞と共に立ち去っていきましたが、
あと数話したら記憶のコインが全部なくなって、廃人のようになっている彼が出てくるに花京院の魂を賭けます。
それにしても、今シリーズのセレクターバトルの目的は、「失ってしまった自分を取り戻す」ことにあるらしいですね、表向きは。
「積み重ねた過去が自分を形作る」という説に基づき、記憶をあらわす5枚のコインを巡って、記憶の消滅≒自身の消滅を止めるためにセレクターたちは戦うのでしょう。
ルリグに選ばれるということは何かが欠けているということらしいですね。
意図せず選ばれてしまった、すず子
なんだかよく分かりませんが千夏
興味本位でセレクターバトルに身を投じることになったナナシのセレクターこと、はんな
皆、どこか欠けていると認定されたのでしょうね。
劇中で、他のセレクターが失ってしまったものにフォーカスが当たっていくにつれて、物語の核心であるセレクターバトルの目的も見えてくるのだと思います。
前シリーズのセレクターバトルは、「願いを追うことの出来る少女たちを不幸の淵へ追い落とす」繭の望みから始まったものでした。
そのための手段として繭は「バトルに勝てば願いが叶う」という飴を用意していたあたり、
ロストレージのバトルにおける「自分を取り戻す」という目的も何らかの手段であると推測できそうです。間違っていたらアブドゥルの魂も賭けます。
それにしても、「自分を取り戻す」とは一体どういうことなのでしょうね。
そこそこ生きてきた身ですが、忘れたくない記憶というものも然程なく、ふっ、と思い出しては「うわぁ、ああ、あああ~!」となるような記憶ばっかりなので、
コインに託されて徐々に消失してしまうなら、それに任せてしまってもいいのでは、などと思ってしまうのは少し冷めすぎでしょうか。
幼いころの思い出補正、純真さ、そういった要素が見え隠れしつつも、誰かのことを忘れたくないと思えるのは羨ましいことだね、と思ってしまったり。
そう考えるあたり、あまり「自分を取り戻す」ことが魅力的には思えないんですよね。
劇中のすず子も、自分を取り戻すということに関してはあまりピンとは来ていないらしく、
千夏の記憶を失いたくないから戦う、という守りの思考でバトルに巻き込まれている姿が印象的でした。
この辺り、戸惑いながらもバトルジャンキーの本性が見え隠れしていた「るう子とタマ」とは少し違っていて(タマは最初からフルスロットルでしたが)、
自分の気持ちに素直になるか、気付くか、すず子の変化が楽しみですね。
来週にはウィクロスの15弾が発売され、環境に新しいルリグが出てくことになります。
新しいルリグはどれもコインを使った固有能力を持っており、その反面ルリグによる除去効果を持ち合わせていないのが気になります。
今のところ、
アドバンテージ面・終盤で注目したいのはメル
ギミック的に面白いのがあや
だと思っていて、特に後者に関しては、「空いているシグニゾーンに仕掛けられたトラップを警戒するか、そのまま踏んづけるか」の駆け引きが生まれて、
ゲームとして非常に楽しい展開になるのでは、と期待しています。
ロストレージの展開で新たに動くウィクロス、楽しみにしていきたいと思います。
それでは!