読書メーターのすゝめ
はじめに謝っておこう。
この記事のタイトルは「読書メーターのすゝめ」となっているが、
私はそこまで読書メーターのヘビーユーザーではない。
だが、読書メーターの面白さの一端でも伝えられれば幸いだ。
What's 読書メーター?
読書メーターのことを知らない人のために、簡単にどういうサービスかを伝えよう。
はい。
埋め込みにある文言の通りである。
私がアレコレ言おうとしたことを公式でまとめてくれている。
実にありがたい限りだ。お陰で記事が書きやすい。
- ページ数・冊数といった読書量のグラフ
- 感想
- 読書家たちとのコミュニケーション
読書メーターは主にこの3点で構成されている、とだけ私は書いておこう。
このサービスに関して私が有用性を見出しているのは、
まず、単純に、
読んだ本を登録することで、「読んだことを記録にとどめておける」という点。
そしてもう一つは、
「その時の自分の感情を後で見返すことが出来る」という点だ。
これでは読書日記をつけているのとさほど変わりないが、
なんと、この読書日記は他人に見せびらかすことだってできる。
そう、本を読んで知識や見識を得るばかりではなく、
目に見える形で優越感に浸ることだってできるのだ。
だらしなき私の読書メーター
さて、私の読書メーターはというと、
冒頭に書いた通り、さほどヘビーユーザーではない。
一昨日確認したところ、
登録したのは1年半前だが、読了済みとしてあるのはたった6冊だった。
1日3ページしか読んでいない計算だ。コレはひどい。
一応、読書はコンスタントに行っているのだが、
ずぼらな私の性格では記録の方にまでは手が回らなかったらしい。
だが、この程度でへこたれてはいけない。
この手の記録には、「後で見返す」という行為にこそ意味合いがあるものなのだから。
では、早速私の読書遍歴を見ていこう。
1冊目:動物農場
『1984年』と並ぶ、ジョージ・オーウェルの代表作の一つである。
最近はトランプ政権の誕生なんかで人気が増しているらしい。
この作品は、副題におとぎ話とあるように、
動物としてカリカチュアライズされたキャラクターたちの所業を通じて、
共産主義体制を批判する小説である。
さてさて、これを読んだ当時の私はどんなことを思ったのか……
曰く。
だそうである。
なんなんだ、この批評家気取りの文章を書いた奴は。
感じさせるが……なんなんだよ。
言いたいことがあるなら最後まで伝えようぜ!
はい、次!
2冊目:肉体の悪魔
ラディゲの小説だ。
これを読んだ当時の私の曰く、
不倫小説…といえばそれまでだが、簡潔な表現で心理を鮮やかに描かれており、飽きない。 どこか眼球譚に通ずるものを感じられた。
だそうなのだが。
う~~~~~~ん、読んだか、コレ????
あんまり読んだ覚えがない。
鮮やかで飽きないって言ってるのに、記憶からすっぽり抜け落ちているよ、風見君!
ちなみに、『眼球譚』というのはジョルジュ・バタイユの小説で、
女の子が尻にゆで卵挟んで遊んだり、別な女の子が失禁したり、
失禁した女の子が発狂して精神病院に行って挙句自殺したり、
そんな感じのお話です。
この作品はのちにシュールレアリスム運動にも影響を与えたそうで、
有名どころだとマックス・エルンストという画家が挙げられます。
気になったらググってね。
はい、次!
3冊目:恐るべき子供たち
ジャン・コクトーの小説だ。
コレは読んだことを覚えている。確か、本人の挿絵付きだった。
では、当時の感想を見てみよう。
曰く、
同性愛から始まり、近親相姦的な愛憎と少年期からの脱出へのあがき、破滅…という解釈でいいのだろうか。 正直、ラディゲの方が好み。
だそうである。
さっきから批評家気取りでこんな文章書いている奴はお前は誰だ?
いや、私なんだが。(ここで唐突に流れる『Armour Zone』)
それにしても、気になることが書いてある。
正直、ラディゲの方が好み。
正直、ラディゲの方が好み。
正直、ラディゲの方が好み。
おいおいおいおい、風見君。
ラディゲの方が好みだっていうのに、その肝心なラディゲの小説、
『肉体の悪魔』についての記憶がすっぽり抜け落ちているじゃないか。
しかし、意外と世の中そんなものかもしれない。
満足のいくものというのは当たり前に感じられて、
不足に感じられたものこそ、記憶や思い出に残る、そういうこともあるかもしれない。
ちなみに、私には風呂場などで唐突に思い出される記憶が山ほどある。
人生そんなものだ。
辛くなってきたので、はい、次!
4冊目:椿姫
作者はアレクサンドル・デュマ・フィス。
貴族のアルマンと娼婦マルグリットの身分差が身を焦がす恋物語である。
アルマンはどこまでもウジウジしている上に、
とある理由でマルグリットを逆恨みしてストーカーのような真似で彼女を追い詰める、
ハッキリ言って金と社会的身分くらいしか取り柄のない男である。
とはいえ、この男の持つ、好いた女性を手に入れようとしたガッツと執念深さには
見習うべきものがあるとは思っている。
さて、当時の私はどのような感想を残しているのか。
曰く、
現代に於いても朽ちない恋愛小説であると思う。
だそうである。
おいおいおいおい、風見君。
もうちょっと言葉を紡ごうぜ。
小学生並の感想もここまで極まると、自分のやったこととはいえ直視できない。
読んで1年近く経っている今の私の方が遥かに、作品に対する感想を語っているぞ。
……この辺で、一旦、終わりにしよう。
まとめ:過去の自分と向き合うのはそれなりに楽しい
この記事を通して伝えたかったのはこれに尽きる。
読書メーターという媒体を通じて自分の読書体験を追想し、
当時の自分との対話を行うというのは、意外と楽しいものである。
また、読書遍歴というインデックスを見ることで、
自分の記憶の中に埋まっている見識を呼び起こすことにだって役立つ。
そうすれば、読書はより、意味を持つものになるだろう。
この記事を読んだあなたも、読書メーターの世界に少しでも触れてみよう、
と思えるようになっていただけたなら幸いである。
……ラディゲの件は忘れてくれ。